もともと日本に自生していて、古くから親しまれてきた伝統を持つ園芸植物なのですが、「長生蘭」と聞いて、どんな植物かわかる人は残念ながら今は少ないかも知れません。でも、そのユニークな形状と香りの良い花だけでなく、この植物にまつわる文化にも、私たちが知らなかった魅力がたくさん詰まっていそうです。全く知識のなかった事務局スタッフが、わからないことを尋ねていきます。
► 宇多川 智勝(うだがわ ともかつ)
(注)当会事務所で行われるサロン。会ってみたい人に膝突き合わせて話を聞いちゃおうという、現代版寺子屋企画。いわゆる講義ではなく、講師と参加者の闊達な会話で進められます。2017年12月以降のサロンは現在鋭意企画中。決定次第、以下の『JGN音羽サロンについて』のページにてご案内していきます。 ►『JGN音羽サロンについて』を見る |
宇多川:
それではここで、皆さんに実習で植え替えてもらった紅木田を見てみましょう。
JGN事務局スタッフ(以下JGNで表記):
この日本長生蘭連合会の冊子表紙は、立派な「紅木田」ですね。
宇多川:
たまたま私が出品したもので、賞をいただきました。
JGN:
この品種は、日本長生蘭連合会の品種登録審査を経て認められた“長生蘭”ということですね。
宇多川:
この「紅木田」という品種は、江戸時代天保年間には既に存在していました。品種登録の審査を受けたというより、古来から伝承されているので、当然無審査登録されているということになります。初心者もつくりやすい、丈夫な品種です。葉は緑色の縁取りで、真ん中は白くなっています。
JGN:
よく見ると、筋のように緑色が入っていますね。
宇多川:
これは、中斑と言います。で、この緑色の筋がなくなり白のみとなると中透けと言います。
JGN:
緑色がなくなるんですか??