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造園家とランドスケープアーキテクトのための『日本庭園を読み解く~空間構成とコンセプト~』戸田芳樹・野村勘治著

造園家とランドスケープアーキテクトのための『日本庭園を読み解く~空間構成とコンセプト~』戸田芳樹・野村勘治著

造園家とランドスケープアーキテクトのための
日本庭園を読み解く
~空間構成とコンセプト~

「日本のランドスケープデザインの原点は日本庭園にある」と戸田芳樹氏は確信している。そして、日本のランドスケープアーキテクトは職業人として日本庭園をどの程度理解しているのかを自問自答して欲しいと望んでいる。
戸田芳樹氏とは50年以上の付き合いという野村勘治氏は、作庭家重森三玲氏に入門し桂離宮を始めとする名園の調査に専念してきた。後に作庭家として独立するが、その傍ら「庭の語り部」としても活動してきた。政治や文化など時代背景とともに日本庭園を読み解く野村勘治氏の解説は、知的好奇心を刺激する。
この2人がタッグを組み、名庭園の空間構成とコンセプトを読み解き1冊にまとめたのが「日本庭園を読み解く〜空間構成とコンセプト〜」である。2人の個性的な視点から読み解く日本庭園は、解説書に留まらず日本の文化の歴史を壮大に物語る日本文化史の一面も持つ。各章に添えられているコラムとともに日本庭園史における古代から近世のロマンに触れるのも一興である。(用語解説付き)

目次

I. 日本庭園史におけるパラダイムの転換とデザイン
1.和様美の発見/ 600年頃
<蘇我馬子の庭園から藤原氏の庭園へ>
2.寓意性の発見/ 1200年頃
<夢窓国師の世界観と足跡>
3.身体性の発見/ 1500年頃
<千利休と秀吉の茶の湯>
4.自然の再発見/ 1900年頃
<山縣有朋と植治の近代庭園>

II. 桂離宮の美と技を語る
1.桂離宮庭園の成立と変遷
~ 3つの条件~
2.桂離宮庭園のコンセプト
~ 3つの世界~
3. 桂離宮庭園のプログラムと空間システム
~ 4つの構成~
4. 桂離宮庭園のデザイン技法
~ 2つの目的と4つの技法~

III. 津田永忠と後楽園
1. 後楽園をつくった人々
2. 閑谷学校の思想と空間
3. 後楽園のランドスケープ
4. 後楽園の各部のデザイン

IV. 絵画の技法と日本庭園
1. 絵画と日本庭園の関わり
2. 雪舟と山口常栄寺庭園
3. 妙心寺退蔵院庭園はなぜ絵画的なのか

「日本庭園を読み解く~空間構成とコンセプト~」を出版しました

この度、日頃より考えていました日本庭園のデザインについて、朋友野村勘治氏との会話を元にまとめ「日本庭園を読み解く」のタイトルで上梓いたしました。これはランドスケープデザイン誌(年6回)に連載した6編を新たに読み直し再構築したものです。掲載後に気付いたことや表現の分かりにくさ、間違いを直すなどで時間が経ってしまいましたが、やっとまとめることができました。

日本庭園の解読書は学問性の高い書籍から名庭園の案内本まで幅広くあります。しかし庭園づくりをしている作庭家や、ランドスケープアーキテクトとしてデザインに携わる人々が求めていた本は少なかったと感じております。日本庭園は長い時間経過の中で変化も多く、分かりにくい点も多々あり、解説にはリスクがつきまといます。しかし、このままでは日本庭園の本当の面白さを伝えぬまま時が過ぎ去るだけ、そこで思い切った庭園解説に踏み込んでみました。

そこには桂離宮の時間軸の長さと懐の深さ、岡山後楽園の土木的発想の庭園デザイン、絵画と日本庭園の意外に近い関係性など、従来とは違った視点だからこそわかる事実がありました。少々暴走気味の表現は今後、議論の余地として受け取っていただき、古き日本庭園をもう一度見直したいと思いました。

このシリーズはこれからも続けていき、日本庭園の表現を学び、世界に発信できればと思っております。また、この書を切っ掛けにして日本庭園の議論の輪が広がっていくことを望んでいます。今後とも、ご指導ご鞭撻の程どうぞよろしくお願いいたします。
戸田 芳樹
(2021年3月25日株式会社 戸田芳樹風景計画HPより)
►戸田芳樹風景計画HPで見る


造園家とランドスケープアーキテクトのための
日本庭園を読み解く
~空間構成とコンセプト~
著者 戸田芳樹・野村勘治
規格 オールカラー100ページ、タテ162mmxヨコ257mm
定価 本体:1,200円(税別)
ISBN 978-4944091690
発行日 2021年4月10日
発行 マルモ出版
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情報提供 ㈱戸田芳樹風景計画・ランドスケープアーキテクト連盟会長 戸田様
HP:http://www.todafu.co.jp/
Gadenet(ガデネット)会員情報マイページ:https://gadenet.jp/todafu/