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庭仕事の真髄
~老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭~
スー・スチュアート・スミス著

庭仕事の真髄 ~老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭~ スー・スチュアート・スミス著
庭仕事の真髄 ~老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭~ スー・スチュアート・スミス著

庭仕事の真髄
~老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭~

心を耕す

植物や土を介して、健康や生活を良い状態に保つことを目的とした、園芸療法、ガーデンセラピー。ご存じの方も多いだろうし、それ以前に、草花や樹木を眺めるだけでリラックスできる実感は、さらに多くの方々が経験済みと想像する。

植物が身近な存在であるが故に「どうして?なぜ?」を、深く追求する機会が少なかった分野かも知れない。

精神科医・心理療法士として、英国で現場に携わってきた著者が、実例と研究の詳細を伝えてくれる本書。夫君は、王立園芸協会が主催するチェルシーフラワーショウなど著名なショウで受賞経験を持つ、ガーデンデザイナーだ。

家族でつくった、ハートフォードシャーの自宅ガーデンのエピソードは親近感が持てる一方、「都市の緑化と犯罪」「貧困地区の若者向けガーデニング」他の項では、各地のシビアな実例が紹介される。

脳に存在するミクログリア細胞は「神経ネットワークの中を這いまわり、雑草を取り除き、脆弱な連結や傷ついた細胞を根こそぎにする。」(「脳を耕す」の項より)のだという。庭仕事に例えた表現だが、なぜ、人は植物や土に癒されるのかへの導入として最適だろう。

本書の原題は『The Well Gardened Mind』。庭や植物と関わって心を耕せるのなら、自分なりに良く生きる方法として、ガーデニングの効果に期待したい。

著者プロフィール
スー・スチュアート・スミス

精神科医・心理療法士。

►ワクワクの本棚「緑陰の書架」はこちらから

amazonの紹介文

「サンデータイムズ」ベストセラー
タイムズ紙、オブザーバー紙「今年読むべき1冊 2020年」に選出

人はなぜ土に触れると癒されるのか。庭仕事は人の心にどのような働きかけをするのか。

世界的ガーデンデザイナーを夫にもつ精神科医が、30年前に野原に囲まれた農家を改造した家で、夫とともに庭づくりを始めてガーデニングにめざめ、自然と庭と人間の精神のつながりに気づく。

バビロンの空中庭園、古代エジプトの墓に収められた種の意味、戦争中の塹壕ガーデン、ニューヨーク貧困地区のコミュニティーガーデン、刑務所でのガーデニングの効果、病院における庭の役割。

さまざまな研究や実例をもとに、庭仕事で自分を取り戻した人びとの物語を描いた全英ベストセラー。
―――――
原著書評より抜粋

これまでに類を見ないガーデニングの本だ。資料あり、園芸あり、文学、歴史ありの本書は、各章で参考文献や素晴らしい着想を示し、魂に栄養を注いでくれる。
――サンデー・タイムズ(英国)

本書は庭を耕し、植物を育てる特別な喜びに関する人生を肯定する研究だ。自然とガーデニングが精神の健康に与える影響を、著者が心からあふれ出る言葉で主張する。神経科学上の研究と園芸療法を通じて症状が回復に向かった患者の記録にもとづいている。
――ガーディアン

園芸が持っている癒しの効果を賢明で洞察力あふれる著者が雄弁に魂をこめて論じる。今日の不安な時代に求められている良書。不調の時にどう対処するのか、読者一人ひとりに適切な展望を示してくれている。
――ブックリスト

科学としていまだに揺れている精神医学と、太古からあるガーデニングが魅力的に重なり合う。
――フィナンシャル・タイムズ

スチュアート・スミスは科学に裏づけされた洞察力で自然の持っている癒しの効果を見せてくれる。楽しく読めて、心安らかになる本。
――ウーマンズ・ワールド

心が躍る、刺激的で、非常に感動的な文章だ。著者は園芸療法の研究を通じて、私たちがどれほど自然と深い関係にあるのかを明らかにしていく。そして、自然と切り離されてしまうことが危険なことで、自然からいかに多くの回復力を得ているか、活気に満ちた思いやりのある言葉で語り、読者に土に触れようと忠告する。
――イザベラ・トゥリー『英国貴族、領地を野生に戻す』(築地書館)著者

 


庭仕事の真髄
~老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭~
著者 スー・スチュアート・スミス
訳者 和田 佐規子
規格 18.8 x 2.5 x 12.8 cm 420ページ
定価 本体 3,200円(税別)
ISBN 978-4-8067-1626-6
発行日 2021年11月
発行 築地書館
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