登山をすると、歩を進める間、目にする植物たちにも興味を覚えるようになります。普段はお目にかかれない分、高山の植物たちとの出会いには特別な縁を感じる人も多いようです。今回は、私たちの身近にある園芸植物からはちょっと離れて、過酷な東チベットの環境に適応しながら生きる植物の姿に触れてみませんか?植物を愛してやまない長岡求理事のガイドで、植物探索の旅が始まります。 |
► 長岡 求(ながおか もとむ) ㈱フラワーオークションジャパン取締役 得意分野は、花き流通、品種動向、植物形態学、植物分類学、イベント企画など多岐にわたる。産地をくまなく回ってきた経験を活かし、講演活動や業界紙への寄稿も多い。新品種に係る知識は膨大である。ジャパンフラワーセレクション実行協議会中央審査会の委員など、各種の新品種コンテストの審査員を担う。専門学校講師、園芸関連の各種委員、NHK趣味の園芸の講師も務める。「四季を彩るすてきな鉢花」(パッチワーク通信社)、「栽培カレンダーですぐわかる 鉢花ハンディ事典」(NHK出版)など著書多数。JGN理事。 |
JGN事務局スタッフ(以下JGNで表記):
実際に行くことはかなわずとも、東チベットにどんな植物が自生しているのか、植物にとにかく詳しい長岡さんから伺えるとは光栄です。
長岡:
2016年7月11日から9日間、花葉会(注)のツアーで東チベットへ行ってきました。
JGN:
東チベットとは、どの辺の地域なのでしょう?
長岡:
中国、四川省の西北部。省都は成都市です。この西の方には、標高7,556mのミニヤコンカ(貢嘎山)がある。
JGN:
ミニヤコンカの名は耳にしたことがあります。確か日本の登山隊が遭難したニュースだったような・・・
(注)千葉大学の花卉園芸に関係する卒業生の会として誕生し、戦後昭和40年に再出発後も、会員相互の親睦、研鑚と情報交換を図り、花卉園芸界の発展に寄与することを目的に活動。2015年には一般社団法人となり、セミナーや交流会の開催、機関誌「花葉」の発行など、広く園芸の発展に貢献しています。