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日本の気候風土に合う、自然からインスピレーションを受けてつくる植栽に向く植物を生産する「はるはなファーム」。その生産現場をオーナーの鈴木学さんと一緒に見学し、植物苗を購入できる見学会を企画しました。 ※このイベントは、貸し切りバス利用で告知しておりました内容を、現地集合に変更してご案内するものです。 ◆ 人気のはるはなファームを鈴木学さんの解説で見学 ◆ 通常は立ち入れない生産現場を体感 ◆ 当日参加者限定で植物苗を購入できる ►参加申し込みはこちらから ※募集終了しました。 |
~宮城県伊具郡丸森町~ はるはなファーム<画像はイメージです>
►はるはなファームさんの会員情報マイページはこちらから |
現地集合!JGNナーセリーツアー 『はるはなファーム見学と植物苗ショッピング』 |
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開催日時 | 2025年6月14日(土)13:30~15:30 ※雨天決行 |
開催場所 | はるはなファーム 宮城県伊具郡丸森町 ※本イベントに関するお問い合わせはJGN事務局へお願いいたします。 ※普段は、一般のお客様の見学受け入れはされていません。無断訪問などされませんよう、細心のご配慮をお願いいたします。 |
アクセス | 参加申し込み時に、ご利用の交通をお知らせください。
1 電車+徒歩かタクシー 2 自家用車 |
定員 | 10名 |
参加費 | JGN会員:1,000円 一般:2,000円 学生(30歳以下):1,000円 ※参加費に交通費は含みません。各自ご負担ください。 |
お支払い方法 | 当日現地にて現金でお支払いをお願いいたします。 ※誠に勝手ながら、クレジットカード・各種電子決済はご利用いただけません。 |
お申し込み方法 | 現地集合型イベントですが、事前のお申し込みをお願いします。下記ボタンよりお申し込みください。 ►お申し込みフォームはこちらから ※募集終了しました。 ※お申込みをいただいた方には、詳細を改めてメールでご案内いたします。 |
お申込み締切 | 2025年6月13日(金)15:00 |
キャンセルについて | 1 期限 キャンセルは2025年6月13日(金)15:00まで承ります。 2 キャンセル料 3 キャンセルのご連絡 4 悪天候や自然災害時の対応について |
備考 | 全ての画像はイメージです。 |
一般社団法人 ジャパン・ガーデナーズ・ネットワーク | |
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公式HP | https://www.gardenersnet.or.jp |
https://www.instagram.com/japangardenersnetwork/ | |
YouTube | https://www.youtube.com/@Gadenet |
Gadenet(ガデネット) 会員情報マイページ |
http://www.gadenet.jp/jgn/ |
住所 | 〒102-0083 東京都千代田区麹町2-10-3 エキスパートオフィス麹町1階 |
TEL | 03-4405-1033 |
お問い合わせ | ►お問い合わせフォーム |
►2025年6月14日開催
現地集合!JGNナーセリーツアー
『はるはなファーム見学と植物苗ショッピング』
参加申し込みはこちらから
![]() 鈴木 学さん(ハウス内で) |
6月半ば、福島県と接する宮城県南部丸森町のはるはなファームへ。社長の鈴木 学さんと出会って以来、ずっと訪れたいと考えていたナーセリーだ。畑の中に住宅が点在する地域に、大きなハウスが立ち並んでいた。丸森町観光案内所のホームページで見たこぢんまりとしたハウスの写真から想像していたのとは異なり、少々面食らった。時期的に多くの苗が出荷後とのことだったが、その種類の多さに驚いた。
鈴木さんは、滋賀県の非農家出身で、高校時代にワンダーフォーゲルで自然と親しみ、大学の農学部ではイネの生産性を研究した。卒業後は、農業とは直接関係ない運送業、溶液栽培のプラントを扱うコンサルタント会社等に勤務。その後、知り合いの紹介もあり、ハーブ苗のナーセリーに勤めて5年間経験を積んだ。ハーブ苗の営業を担当していた時に出会った大森プランツの佐々木清志郎社長との縁で委託生産の話があり独立。ハウス6棟、600坪から出発した。2011年の東日本大震災で大森プランツが被災し、生産の委託が増えたことをきっかけに規模を拡大、現在は約4,000坪の土地で宿根草を中心に約700種類、多品種栽培をおこなっている。大半の苗は委託生産の取引先に納め、他の苗も市場には出さず、直接園芸店などに出荷している。ガーデンデザイナーと直接取引をすることもある。
基本の培養土は3~4種類使用しており、クリスマスローズやラベンダー、栽培期間の長い宿根草といった一部の植物は、酸度を調整したり、水はけを良くしたりするなど手を加えているそうだ。宿根草の種子は、ほぼ全てを輸入し、播種を自社でおこなう。特に多くのセリ科植物に必要な低温発芽は、時間がかかるため依託できないという。実生から出た変異株を選抜した品種として育成することもある。八重咲きの豪華な花が特徴のエキナセア‘サークル・フォレスト’ 1 は、はるはなファームのオリジナル品種。
![]() 1 Echinacea ‘Circle Forest’ |
今、自社の生産で力を入れているのは、グラス類とセリ科の植物たち。どちらもナチュラリスティックな植栽には欠かせないアイテムだと考えている。鈴木さんのオススメは、ピンク色の散形花序が可愛らしいピンピネラのマヨール種 2 。アストランチアよりも耐暑性があり、本州では40cm程度の草丈に収まる。
![]() 2 Pimpinella major |
バーベナの‘バンプトン’ 3 は、ピンクの小花がキュートな宿根草。日本では、はるはなファームが他に先がけて導入した植物で、春と秋には銅葉になり、とても魅力的。耐暑性、耐寒性に優れ、株立ちになり蒸れにも強いため、植栽にも使いやすい。
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3 Verbena officinalis var.grandiflora ‘Bampton’(右は、銅葉が美しい春の様子) |
斑入りでシャープな印象のカラマグロスティス‘オバーダム’ 4 は、穂にも白斑が入るので、とても見栄えが良い。春先は斑の部分が多くとても綺麗で、夏以降は緑の部分が多くなってくるので、斑入り植物にありがちな弱さとは無縁。アンティークなオレンジの花を咲かせるイカリソウ‘アンバークイーン’ 5 は、土質を選ばずに栽培できるガーデン向けの品種。常緑で半日陰から日陰のグラウンドカバーとしても有用。草丈60~80cmになるセントーレア‘カラ・ミア’ 6 は、耐暑性、耐湿性に優れ丈夫で、スプレー咲きになり、エキナセアと同じように扱える。ダウクス・カロタ‘ダラ’ 7 は、咲き始めはピンクの覆輪花で、咲き進むと黒っぽい紫色になる。
![]() 4 Calamagrostis × acutiflora ‘Overdam’ |
![]() 5 Epimedium ‘Amber Queen’ |
![]() 6 Centaurea ‘Cara Mia’ |
![]() 7 Daucus carota ‘Dara’ |
圧倒的な造形美のエリンジウム‘シルバー・ゴースト‘Silver Ghost’ 8 は、‘ミス・ウィルモッツ・ゴースト’の選抜品種でシルバー味が強い。
![]() 8 Eryngium giganteum ‘Silver Ghost’ |
白色の小花がたくさん咲くゲラニウム・ピレナイカム‘サマー・スノー’ 9 は、バラの下草としてオススメ。こぼれ種で増えやすい。斑入り葉も魅力的なゲラニウム・ファエウム‘サモボル’ 10 は、株立ちになって、草丈も高くなる。
![]() 9 Geranium pyrenaicum ‘Summer Snow’ |
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![]() 10 Geranium phaeum ‘Samobor’ |
エキナセア‘サンシーカー・オレンジ’ 11 は、黒軸に濃いオレンジ色の花が目を引く。草丈60cmぐらいで、大き目のコンテナや寄せ植えの主役として有望。
![]() 11 Echinacea ‘Sunseekers Orange’ |
紙媒体のNURSERIESでは誌面の都合で紹介しきれなかったナーセリーの様子や植物たちを紹介する。
育てている植物によって遮光の度合いが異なる、大きなハウスが立ち並び A 、露地の圃場でも、さまざまな植物たちが元気に育っている B 。ハウス内には、挿し芽で増殖している植物も C 。ハウスの一角にある棚には、植物のラベルが整然と積まれていた D が、これらの棚は、なんと鈴木さんの手作りだそうだ。配管工事もお手のものだという。
![]() A ハウスが立ち並ぶ様子 |
![]() B 露地では、さまざまな植物たちが開花中 |
![]() C 挿し芽で増殖中 |
![]() D 鈴木さん自作の棚の前で |
栽培されている植物たちをいくつか紹介しよう。鈴木さんが特に好きだというサラシナショウマ(キミキフーガ) E 。手前にあるのは、銅葉の品種‘ピンク・スパイク’だ。ゲラニウムの‘オリオン’ F や‘テス’ G もガーデンの下草として有望。ノアザミ(キルシューム・ジャポニカム)‘ピンク・ビューティー’ H は、ピンク色の球状の集合花が可愛らしい。
![]() E Cimicifuga simplex |
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![]() F Geranium ‘Orion’ |
![]() G Geranium × oxonianum ‘Tess’ |
![]() H Cirsium japonicum ‘Pink Beauty’ |
最近、鈴木さんが力を入れているグラス類の一部をご紹介しよう。まずは、矮性のコエレリア‘マウンテン・ブリーズ’ I 。草丈20cmぐらいに収まり、青っぽい葉が美しい。ヒロハノコメススキ(デスカンプシア)‘ゴールドタウ’ J は、草丈60cmになる。秋には、穂が黄色くなり、葉の緑色とのコントラストが美しい。草丈150cmにもなるブルー系の大型グラス、パニカム‘プレイリー・スカイ’ K は、特に葉色が美しい。同じくパニカムの‘ロートストラールブッシュ’ L は、秋になると葉先が赤色、株元の方が黄色になり、とても美しい対比を見せる。草丈は100cmぐらい。
![]() I Koeleria vallesiana ‘Mountain Breez’ |
![]() J Deschampsia cespitosa ‘Goldtau’ |
![]() K Panicum virgatum ‘Prairie Sky’ |
![]() L Panicum virgatum ‘Rotstrahlbusch’ |
メリカ・シリアタ M は、草丈40cmぐらいで、柔らかい質感の穂が可愛らしい。草丈120cmほどになるシナダレスズメガヤ(エラグロスティス・クルブラ) N は、明るい色の葉と黒っぽい穂のコントラストが素敵だ。繁殖力が旺盛なので、扱いには注意が必要。
![]() M Melica ciliata |
![]() N Eragrostis curvula |
その他、初期のころから栽培しているクリスマスローズ O 、細かい切れ込みが入った青銀色の葉がとても美しいセセリ・グミフェルム P 、斑入りのユーパトリウム‘ピンク・フロスト’ Q 、赤い茎がインパクトのあるユーフォルビア‘ディクスター’ R などなど、実にさまざまな魅力的な植物たちが溢れていた。
![]() O Helleborus |
![]() P Seseli gummiferum |
![]() Q Eupatorium fortunei ‘Pink Frost’ |
![]() R Euphorbia griffithii ‘Dixter’ |
誰にでもできることは皆が取り組むので、個性を持たないと生き残れないと、他には無いユニークなものをつくりたいと考えている。今年はセリ科、といったように毎年テーマを決めて新たな種類の植物を導入しているのもその例だ。市場では扱われにくい大きなものをつくるのも楽しいと語る。たくさん売れなくても、欲しい人がいるものをつくるのは意味があると感じている。ガーデンデザイナーと話す中で、意外な使い方に気付き、刺激になることもある。群植されているアスチルベの枯れ姿がすごく雰囲気がある、と言われたときには、驚きつつもなるほどと思ったという。
これからの目標を伺うと、すぐに「いいものをつくりたい」と答えが返ってきた。例えば宿根草ならしっかり手をかけて、翌春にお客さんのところで元気に育つようにする。多品種栽培をしていると、今つくっている植物としっかり向き合っていないと感じることがある。それぞれともっと対峙したいと考える一方、周りをあっと言わせる面白いものをつくりたい気持ちもあるという。
また、最近は耐暑性が問題となるので、実際に育てるお客さんの意見を参考にしている。栽培は、これからも苦しくも楽しい試行錯誤が続きそうだ。
ガーデンデザイナーやガーデナーとも積極的に交流する鈴木さん。その植物がどんな風に使われるかを意識しつつ、これからも魅力的な植物を世に送り出してくれるだろう。記事を書きながら、まだまだつくってみたい植物がありすぎて困る、と笑う鈴木さんの顔が浮かび、また訪れてみたくなった。(取材:編集部)
►2025年6月14日開催
現地集合!JGNナーセリーツアー
『はるはなファーム見学と植物苗ショッピング』
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