田中敏夫- ggrosarian「バラ咲く庭の物語」より
まだ系統立った育種が確立していない時代であったため、”パープル”の花色のガリカがどのように生み出されてきたのかは不明のままです。そうした背景があった18世紀末でもバラを意図的に育種して市場へ提供するという近代的な考え方によった育種者たちがいたことはすでに述べました。
偉大な先駆者のひとりであったドイツのシュワルツコフにも、マントゥー・プルプルなどパープル系のガリカがあります。
以前の記事、424夜 オランダ・ベルギー由来の古ガリカの中でマントゥー・プルプル(”パープル色のコート”)という品種がフランス産の古いガリカだとされていたものの、どうやらドイツの先駆的な育種家であるシュワルツコフにより18世紀末に育種されたものらしいと記述しました。
この品種はフランスに入ってからさまざまな別名で呼ばれるようになりました。最もポピュラーな名前はアンドレ・デュポン(André Du Pont)ではないかと思われます。当時フランスの園芸界の重鎮であり、ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌのバラ・コレクションの主な担い手となった園芸家です。はじめデズメが自らのコレクションへ加え、後日ヴィベールにより市場へ提供されるようになったと思われます。
大輪、花弁が密集する香り高いロゼッタ咲き、花色はパープリッシュなクリムゾン。
本当に18世紀の末にこの品種が出現していたとされることが果たして事実なのかと疑われるほど、完成された美しさで人びとを魅了する品種です。
そして、フランス・オリジナルのパープル・ガリカが出回るようになるにはまだしばらくの猶予が必要でした。
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