![]() 小島研二さんと奥様の英子さん(温室内にて) |
小島舎の小島研二さんと出会ったのは約35年前、場所は小島さんが勤めていた千葉県内にある洋ランのナーセリーだった。退職後自身でナーセリーを立ち上げ、楽しそうに育種に取り組む姿を知って取材をしたいと考えていたところ、快く受けてくれた。
茨城県取手市の利根川に近い高台の畑の中に建っている100坪の温室の中は、手前約1/3が木材を基調とした落ち着いた雰囲気の売店と接客用スペース、奥の2/3が栽培圃場 1 ・2 となっており、洋ランのナーセリーにありがちな、雑然とした感じとは一線を画している。手前のスペースでは、奥様のドライフラワーやアーティフィシャル
フラワーも展示販売されていて、植物好きが集まる場所をつくりたいとの考えで年に数回開催している、洋ラン以外のナーセリーも集まるイベントの会場にもなる。
![]() 1 小島舎のシンボルである Cattleya maxima ‘Dark Princess’ の大株は、最初は6号鉢に植えられた株だったが、成長して大きくなるたび、植え替え時の根痛みを避けるため鉢から抜かずにそのまま大きな鉢に入れ、鉢どうしの隙間に植え込み材料であるバークを入れるということを繰り返した。直径65cmの鉢の中には、大きさの異なる鉢が4重に入っている。この株は、マキシマ種としては世界でも最大級だろうと自負している。 |
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![]() 2 様々なタイプのカトレヤの仲間が咲く温室内 |
小島さんのランとの密接な関係は、自然と関わる仕事に就きたいと選んだ洋ランのナーセリーへの就職から始まった。気付くといつの間にかランに関わる仕事が面白いと感じるようになっており、交配を始めてから、さらにその面白さにのめり込んだ 3 。
![]() 3 小島さんが最初に好きになった Rhynchovola David Sander |
やがて、自分の交配をやりたい、咲かせる人々のお手伝いがしたい、との思いが募り、2015年退職を機に温室を建て、小島舎をスタートさせた。洋ランに関する豊富な知識と経験を活かし、今では、わかりやすい情報を発信したいとの思いからYouTubeも始めた。
勤めていた頃から常に意識していたのは、「いかにして・・・