シンボルツリーとして人気のあるハンカチノキを生産する中島栄一さんの情報を聞いて、ぜひ取材したいと思い連絡したところ、快く受けてくれた。圃場は千葉県野田市の江戸川近く、畑が広がる地域に位置する。教えられた住所に近づくと、背の高い黄金葉のモチの一群が目に入ってきた。周りを見ると、ハンカチノキの白い苞葉がたくさんぶら下がっている 1 樹々が目に入ってきて、その光景に目を奪われた。
![]() 1 Davidia involucrata ‘ヒロミ’ |
中島さんの親は野菜農家だったが、中島さんは農業高校で学んだ後、施設園芸が盛んな愛知県のサンスベリアやアナナスなどを生産するナーセリーで2年間研修した後、実家に戻って温室を建て、研修先と同じような観葉植物を育て始めた。その頃は、美島園という屋号で市場に出荷していたという。国道沿いにある農協の売店での販売では、お客さんが何を求めているか分かり、生産する植物の転換を決意したが、あくまでも自分がいいと思ったもので、人の真似はしないとの信念に似た思いがあった。将来のお客さんのニーズを予想し、かつ図鑑を見て綺麗だと思ったものを選んだ結果、ハナミズキに決定した。1990年代の生産を始めた頃、卸では「ハナミズキは売れない」と言われていたが・・・