![]() 佐々木清志郎さん(コピスガーデンにて) |
栃木県那須町にある大森プランツの直営店コピスガーデンには、JGNの見学ツアーでも訪れ、今回で3回目の訪問となった。社長の佐々木清志郎さんは、海外からも最新の植物情報を取り入れ、次々と新しい植物を導入しているので、以前から詳しく話を聞きたいと考えていた。7年前に福島県南相馬市から移転したコピスガーデンは、カフェとガーデン 1 が併設されたガーデンセンターで、木の温もりが感じられる建物が周りの景色と調和し、絵になっている。6,000㎡ほどの圃場の一部が隣接していて、南相馬にも約50,000㎡の圃場 2 がある。
![]() 1 バラと宿根草が美しいガーデン |
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![]() 2 南相馬の広大なバラ圃場 |
佐々木さんの家は、南相馬で代々続くコメ農家だったが、米価は政府によって決められており、収入を増やすには規模拡大しかなかった。流通も自由にできず、自分でつくったら、自分で値段を決めたいと常々感じていた。そんな状況への反発もあり、25~26歳の頃、家を飛び出してカナダでガーデナーをしたり、米国北東部のピートモスの工場で働いたりした。帰国後、コメ以外で生計を立てる道として野菜または園芸が考えられたが、野菜は消費地が遠く、近くに原発もあるので選択肢から外し、造園材料となる植木の生産を始めた。その頃はまだ公共事業が盛んで、地元での未来博開催のため需要があったが、その先どうなるかやがて不安になった。造園樹木もコメと同じで公に値段を決められ、良いものをつくって提案しても、工事までの間に設計変更されて使われなくなってしまうこともあり、やる気を失ってしまった。そこで、作物を変えてグラウンドカバーの生産を始め、小売りを狙うことにした。それも、生産量が上位10種で約90%を占めていた状況の中、生産量が少ない10位以下を対象と・・・