【2019年10月1日まで期間限定一般公開中!】NURSERIES vol.19
松原園芸

ジャパン・ガーデナーズ・ネットワーク(JGN)・池袋コミュニティ・カレッジ共催
JGNスペシャル・ガーデン日帰りバスツアー(池袋発)
「秋バラと宿根草の競演!中之条ガーデンズ見学と松原園芸でオリジナル品種の苗を直接買い付け!」
日時 2019年10月24日(10/1締切)JGNスペシャル・ガーデン日帰りバスツアー(池袋発)「秋バラと宿根草の競演!中之条ガーデンズ見学と松原園芸でオリジナル品種の苗を直接買い付け!」JGN・池袋コミュニティ・カレッジ共催
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解説 JGNメンバー 松原園芸 松原 紀嘉さん

【2019年10月23日まで期間限定一般公開中!】NURSERIES vol.19 松原園芸

NURSERIES vol.19 松原園芸

NURSERIES vol.19 松原園芸 ペチュニアのオリジナル品種‘ヴァンサンカン ブルーピコティー’を手にする松原紀嘉さん
ペチュニアのオリジナル品種‘ヴァンサンカン ブルーピコティー’を手にする松原紀嘉さん
オリジナル品種の少量多品種栽培をおこなう革新的なナーセリー

 11月初め、群馬県の南東部、伊勢崎市の広大な平野に位置する松原園芸を取材に訪れた。ユニークな経営スタイルの話を聞いて興味を持ち、訪れたいと考えていたナーセリーだ。ビオラのオリジナル品種がズラリと並ぶハウス内で、作業中の松原紀嘉さんが迎えてくれた。毎年世に送り出すオリジナル品種の多さは特筆に価し、経営手法も従来の考えに囚われないスタイルをとっている部分が多く、新しい時代の農業を感じさせる。ひとしきりの話の後、少し離れた場所にあるハウスを案内してくれた。ハウスを全て合わせると2,000坪ほどになる。

花の生産を目指し、就農

 松原さんの両親は、もともとはハウスで野菜をつくる施設農業を営んでいて、毎日長時間作業に追われる姿を見て、子供の頃は農家を継ぎたくないと思っていた。しかし、紀嘉んが中学生の頃に花の栽培に切り替えてから、その気持ちが変わってきたという。大学では植物遺伝学を学び、卒業後に就農するつもりだったが、当時お世話になっていた准教授に引き止められ助教となり、自分の研究室を持つまでになる。しかし、就農する意思は変わらず、6年前に家業を継いだ。大学を辞めるときは周囲から「花では食えないよ」と言われたそうだが、勝算はあった。オリジナル品種を開発し、

ブランドを構築。苗の単価が高いものにシフトし、少量多品種栽培をおこなう。SNSを駆使して情報伝達をおこない、生産した苗は市場に出荷せず、注文で捌く、といったことを次々推し進めた。

新品種づくりはスピード命の「商品開発」

 6年前の就農時は、在来品種や種苗会社から種子を購入したF1品種などを大量生産していたが、松原さんは新しい品種を次々と生み出し、今では全体の90%をオリジナル品種が占める。新品種をつくることを「育種」と言わず、敢えて「商品開発」という言葉を使う。企業であれば淘汰されないために当然必要なことであり、そちらの方が言葉として分かり易いと考えるからだ。「商品開発」で目指しているのは、お客さん好みの、市場ではなくお店できれいに見える品種だ。販売のターゲットと考える女性の流行を捉えるため、女性物の服を奥様と一緒にウィンドウショッピングするなど、感性を磨く努力を怠らない。いかに早く流行を先取りするかに意識を向けていて、「商品開発」のスピードも驚異的だ。人気の移り変わりが速く、販売上の品種寿命が短くなっているからだ。そのため、種苗登録はせず、より時間とお金がかからない品種名の商標のみ取得し、名前のブランドで売る戦略をとっている。

 大学で植物遺伝学を学んだ経験から、交配のときにどんな花が咲くかイメージでき、1品種作り出すために必要な種子の数は、30粒ぐらいだという。大手種苗会社では1,000粒以上は必要なので、効率は抜群だ。

 販売方法にも工夫を凝らしている。ブログ、フェイスブック、インスタグラム等を駆使して情報発信をおこない、現在は95%が園芸店等からの注文となっていて、すぐに売り切れる品種が続出している。種苗会社や園芸店等とコラボして、限定品種の「商品開発」をおこなう試みも始めている。

松原園芸の最新オリジナル品種

 ここで、松原さんが生み出した品種をいくつか紹介しよう。まずは、ペチュニアの新品種たち。園芸店との
共同開発品種‘Beni 茜’ 1 は、季節とともに花色が変化するのが特徴。
同じく‘モン シュシュ’ 2 は、爽やかなライムグリーンに紅色の模様が
入るセミダブル品種。‘ヴァンサンカン さくらヴェール’ 3 は、優しい色合いの花弁が反り返らない八重咲き。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Petunia ‘Beni 茜’4月上旬頃の様子
1 Petunia ‘Beni 茜’4月上旬頃の様子
NURSERIES vol.19 松原園芸 Petunia ‘モン シュシュ’
2 Petunia ‘モン シュシュ’
NURSERIES vol.19 松原園芸 Petunia ‘ヴァンサンカン さくらヴェール’
3 Petunia ‘ヴァンサンカン さくらヴェール’

‘ブルーベリー モヒート’ 4 は、ライム色がベースで、中心がブルーベリーカラーに
なる、爽やかな色合い。ディアスシア‘ラパージュ アンティークピーチ’ 5 は、ややグレーがかった桃色の小花がシックな雰囲気。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Petunia ‘ブルーベリーモヒート’
4 Petunia ‘ブルーベリーモヒート’
NURSERIES vol.19 松原園芸 Diascia ‘ラパージュ アンティークピーチ’
5 Diascia ‘ラパージュ アンティークピーチ’

斑入り葉のキンギョソウ‘リュミエール シフォン’ 6 は、葉色と同系の白を主体とした花を咲かせる。マーガレット‘ぽぽたん マカロンピンク’ 7 は、花の中心がピンク色で、縁取りの花弁が淡いピンクから白色になる。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Antirrhinum majus ‘リュミエール シフォン’
6 Antirrhinum majus ‘リュミエール シフォン’
NURSERIES vol.19 松原園芸 Argyranthemum frutescens ‘ぽぽたん マカロンピンク’
7 Argyranthemum frutescens ‘ぽぽたん マカロンピンク’
WEB限定掲載

 さらに、紙媒体のNURSERIESでは誌面の都合で紹介しきれなかった最新オリジナル品種たちを紹介しよう。オステオスペルマムの‘パティエ クレームブリュレ’ A の花は、クリーム色の下地に、グラデーション状にほんのりピンクがのって、オレンジ色へと移り変わる。これまでのオステオスペルマムにはなかった、花茎を伸ばすという性質が加えられているのも特徴だ。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Osteospermum ‘パティエ クレームブリュレ’
A Osteospermum ‘パティエ クレームブリュレ’

バーベナ‘虹色あられ レッドバイカラー’ B は、赤紅色とピンクの2色咲きで花の中心は白色、丸くなる花形がとても可愛らしい。株は、半匍匐性。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Verbena ‘虹色あられ レッドバイカラー’
B Verbena ‘虹色あられ レッドバイカラー’

カリブラコア‘ティエルノ’シリーズは、耐暑性・耐病性が強く、花壇に植えても元気に育つ。写真 C は、八重咲き3色ミックスの鉢植え。同じく‘エマのコサージュ’ D は、八重咲きの端正な花形で、白地の花弁にチェリーピンクのべイン模様がくっきりと入り、目を引く。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Calibrachoa ‘ティエルノ’シリーズ八重咲き3色ミックス’
C Calibrachoa ‘ティエルノ’シリーズ八重咲き3色ミックス’
NURSERIES vol.19 松原園芸 Calibrachoa ‘エマのコサージュ’
D Calibrachoa ‘エマのコサージュ’

プリムラ‘モネ’ E は、花茎が伸び上がるのが特徴で、アンティークな花色が魅力的。アキレア‘ゆきてまり’ F は矮性で、小さな八重咲きの白い花をたくさん咲かせる。耐暑性・耐寒性に優れる。ロベリア‘空色てふてふ 青空ブルー’ G は、ジャパンフラワーセレクションで、ベストフラワー賞とニューバリュー特別賞のダブル受賞した品種。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Primula ‘モネ’
E Primula ‘モネ’
NURSERIES vol.19 松原園芸 Achillea ptarmica ‘ゆきてまり’
F Achillea ptarmica ‘ゆきてまり’
NURSERIES vol.19 松原園芸 Lobelia ‘空色てふてふ 青空ブルー’
G Lobelia ‘空色てふてふ 青空ブルー’

ペチュニア‘妖精のチュチュ ブルーベリーショコラ’ H は、落ち着きのあるシックな花色。咲き始めはクリームがかった色合いで、徐々に紫色に変化する。‘妖精のチュチュ アンティークアイボリー’ I は、花弁の縁が少し波打ち、シックでアンティークな色合い。株は横張り性で生育旺盛、強健で育てやすい。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Petunia ‘妖精のチュチュ ブルーベリーショコラ’
H Petunia ‘妖精のチュチュ ブルーベリーショコラ’
NURSERIES vol.19 松原園芸 Petunia ‘妖精のチュチュ アンティークアイボリー’
I Petunia ‘妖精のチュチュ アンティークアイボリー’

マーガレット‘ダブルチェルシーガール’ J は、糸葉のような葉の形状が特徴的で、草姿がすっきりした印象。八重咲きの花は、長持ちする。「ぽぽたん」シリーズの‘スイートピンク’ K は、淡いピンク色の花を咲かせる。ポポタンシリーズの中では、生育旺盛で一番大きく育つ。‘イエロー’ L は鮮やかな黄色の花。

NURSERIES vol.19 松原園芸 Argyranthemum frutescens ‘ダブルチェルシーガール’
J Argyranthemum frutescens ‘ダブルチェルシーガール’
NURSERIES vol.19 松原園芸 A.frutescens ‘ぽぽたん スイートピンク’
K A.frutescens ‘ぽぽたん スイートピンク’
NURSERIES vol.19 松原園芸 A.frutescens ‘ぽぽたん イエロー’
L A.frutescens ‘ぽぽたん イエロー’
改革とお客さんを作り育てるスタンス

 今でこそ革新的な経営スタイルだが、これまで変化を好まない父親を説得しながら、数々の改革をおこなってきたのだ。就農1年目には、大雪によりほとんどのハウスが倒壊。いきなり多額の負債を抱えるが、他人がやっていないことを見つけ、生産効率を上げ、売上を伸ばしつつ、逆に種苗コストを減らしていった。全体最適を目指し、ベテランのパートさんを中心に、作業のボトルネックになるところを自分達で発見し、そこをカバーできるように移動するなど、パートさん達自身で最適化できるように意識改革してきた 8

NURSERIES vol.19 松原園芸 頼りになるパートさんたち
8 頼りになるパートさんたち

 育苗に関しても、数々の工夫を重ねている。一例として、根張りが良い苗 9 をつくるため、潅水は、最初は根が張っている表面だけに届くように、成長に従ってより深く浸透するようにおこなう。また、肥料はリン酸分が多いと根が張りにくいので、育苗段階ではリン酸成分が少ない液肥を使うのだ。培養土も最近、なるべく空気が入り易いものにブレンドを変えた。

NURSERIES vol.19 松原園芸 上から下まで細かい根がびっしりのビオラ苗
9 上から下まで細かい根がびっしりのビオラ苗

 同業者に対してもオープンで、圃場の見学はもちろん、出荷する苗の値段まで包み隠さず話すという。それは、一人勝ちではなく、皆で花を育てる文化をつくり、多くの人々に花を楽しんでもらいたい、という考えがあるからだ。

園芸を盛り上げ、日本一の生産者を目指す

 これからの目標を伺うと、日本一の生産者を目指したい、という答えが返ってきた。マーケットは、本当に花好きの限られた人々なので、魅力的な商品を提案することによってお客さんを育てたい、それを考えるとワクワクする、と楽しそうに話す。また、海外展開も考えているが、生産拠点を海外に移すのではなく、種苗を輸出することにより、日本の経済を活性化させるかたちにしたいという。今の場所にとどまることなく、常に新しい、自身が心躍らせるような農業をつくり出している松原さんが、今後どのような品種を世に送り出し、生産者も含めた花をつくる文化を盛り上げていくのか、大きな可能性を感じ、期待に胸が膨らんだ。(取材:編集部)

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