![]() 鈴木 学さん(ハウス内で) |
6月半ば、福島県と接する宮城県南部丸森町のはるはなファームへ。社長の鈴木 学さんと出会って以来、ずっと訪れたいと考えていたナーセリーだ。畑の中に住宅が点在する地域に、大きなハウスが立ち並んでいた。丸森町観光案内所のホームページで見たこぢんまりとしたハウスの写真から想像していたのとは異なり、少々面食らった。時期的に多くの苗が出荷後とのことだったが、その種類の多さに驚いた。
鈴木さんは、滋賀県の非農家出身で、高校時代にワンダーフォーゲルで自然と親しみ、大学の農学部ではイネの生産性を研究した。卒業後は、農業とは直接関係ない運送業、溶液栽培のプラントを扱うコンサルタント会社等に勤務。その後、知り合いの紹介もあり、ハーブ苗のナーセリーに勤めて5年間経験を積んだ。ハーブ苗の営業を担当していた時に出会った大森プランツの佐々木清志郎社長との縁で委託生産の話があり独立。ハウス6棟、600坪から出発した。2011年の東日本大震災で大森プランツが被災し、生産の委託が増えたことをきっかけに規模を拡大、現在は約4,000坪の土地で宿根草を中心に約700種類、多品種栽培をおこなっている。大半の苗は委託生産の取引先に納め、他の苗も市場には出さず、直接園芸店などに出荷している。ガーデンデザイナーと直接取引をすることもある。
基本の培養土は3~4種類使用しており、クリスマスローズやラベンダー、栽培期間の長い宿根草といった一部の植物は、酸度を調整したり、水はけを良くしたりするなど手を加えているそうだ。宿根草の種子は、ほぼ全てを輸入し、播種を自社でおこなう。特に多くのセリ科植物に必要な低温発芽は、時間がかかるため依託できないという。実生から出た変異株を選抜した品種として育成することもある。八重咲きの豪華な花が特徴のエキナセア‘サークル・フォレスト’ 1 は、はるはなファームのオリジナル品種。
![]() 1 Echinacea ‘Circle Forest’ |
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