エービーデザイン株式会社代表、ガーデンデザイナー JGN創立メンバー 正木 覚
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► 正木 覚(まさき さとる) エービーデザイン(株)代表、ガーデンデザイナー 1952年福岡県生まれ。 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業後、3年間植木職の修行を積み、その後造園設計会社を 経てエービーデザイン(株)設立。個人や集合住宅の庭をはじめ、商業空間などで、景観の美しさだけでなく植物の力を活かした「心地よさ」を求めた庭づくりを実践している。また、環境共生住宅や まちづくりプロジェクトにも積極的に取り組み、NHK「趣味の園芸」の出演、教育機関、企業研修セミナーの講師としての活動も多い。 |
植物は、我々人間の目を楽しませてくれるほか、緑陰を提供したり、さまざまな形で生活に豊かさをもたらしてくれます。特に都市部で暮らす人々は、自然を感じさせる植物やガーデンを求めているのではないでしょうか。植物の力を利用して心地良い空間をつくり出しているガーデンデザイナー正木 覚さんに、ガーデニングブームの背景にあったもの、そしてナチュラルガーデンから新たなガーデンスタイルへの流れを語っていただく中で、人と自然、さらには、人と人をつなぐ正木さんのガーデンデザインを浮かび上がらせます。(事務局)
日本では1990年代に入って突然、イングリッシュガーデンに注目が集まるようになりました。いわゆる「ガーデ二ングブーム」です。特にカラーボーダー花壇と呼ばれる美しく調和した花の庭がもてはやされました。
そこから遡ること100年ほど前のイギリスにおいて、産業革命による急激な社会変化に抗するように「アーツアンドクラフツ運動」と呼ばれる自然回帰の現象が起きていました。もともとは大量生産による製品の粗悪化を嫌い、伝統的な職人の仕事に戻ろうという運動でしたが、同時に工業化による都市環境の劣悪化が進んだことで、自然に帰ろうという動きでもありました。宿根ボーダー花壇の発案者でもあるガートルド・ジーキルも運動に関わっていた一人でした。このような自然回帰現象は産業革命後、ドイツではクラインガルテン、アメリカではコミュニティガーデンとしてなど、多くの国々で見られます。そして、日本も例外でなく90年代のバブル経済崩壊後に、冒頭に記した「ガーデニングブーム」がやって来たのでした。行き過ぎた消費経済の息苦しさに最初に異を唱えたのが子育て中の母親たちでした。美しいイギリス風の庭に憧れ、自分たちの生活空間に取り入れようとしたのは、彼女らの無意識の心の奥底の叫びだったのでしょうか。私はガーデニングブームの背景にはそんな力が働いていたと思っています。
90年代当時、私が出会ったイングリッシュガーデンは100年ほど前にジーキルや建築家エドウィン・ラッチェンス達が理想とした庭の成熟した姿であり、森と庭、さらにそこに立つ家が全体として美しく調和し、統一感のある庭の様式を完成させていました。いわゆるコテージガーデンスタイルです。
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