北の大地で活躍する笠 康三郎さんと、それよりも高緯度にある英国から日本へ来たマーク・チャップマンさん。自然に抗わず、植物との対話で植栽を生み出すお二人からお話を伺った、連載Commentの第3回です。さて、お二人はそれぞれにどんなコメントを残してくださっているのでしょうか?
北海道で困ったら笠さんに頼めば何とかしてくれる、そんなブランドを持つ笠 康三郎さん。愛媛県に生まれ、なんと3歳から盆栽を始めた。大学の農学部卒業後、周囲から「そこだけはやめておけ」と忠告された植木屋に8年間勤め、植栽や土木に関するあらゆることを体で覚えた。その経験は、難しいと言われても何とでもなる、と思える自信につながった。施工現場に携わるうち、植物や現場に無知な設計に腹が立って、自分で図面を描こうと建設コンサルタント会社に入社。道内のあらゆる地域で植物を観察し、環境に合わせた植栽を実践してきた。 北海道では、暑さに弱い植物が夏に溶けることはなく、6~7月に圧倒的な美しさを誇る。冬にリセットできるのも、メリハリがついて気持ちがいいという。春先に植物たちが萌え立つ姿に感動し、北海道に残る理由にもなった。 図面を描くだけでは、その場所に合った植栽はできない。実地で培った植物の観察力、土木や建築に関する知識と人脈で、北の大地の特性を活かした魅力的な景観をつくり続ける。(JGN事務局) |
来日以来、天気と作業を記録し続け、自然や植物へのリスペクトを心がけるマーク・チャップマンさん。英国東部リンカンシャー出身。レンガ積み職人で庭いじりが好きだった祖父の手伝いを始め、8歳になった頃には、ハンギングバスケットを作って小遣いをもらうほどになった。16歳からは4つの学校に通い、園芸や庭のデザインだけでなく、機械・道具類の修理法、細菌・病害虫など生物科学についてまで幅広く学んだが、植物について、既に先生より詳しいこともあった。ガーデンセンターやナーセリー勤務で経験を積んだ後、新しいことに挑戦しようと1997年に日本へ。英国と違って、サイズ表記も統一されておらず、学名ではなく日本語流通名で出回る植物には苦労させられた。 DIYで何でも作り、職人ができないと言っても諦めないチャップマンさん。厳しい冬を迎える長野県の現場に合ったレンガの目地も、祖父を手伝った幼少時の経験から、その配合が理解できた。「失敗を恐れずチャレンジしよう」と語る姿は、いつも植物と共にある。(JGN事務局) |
► 1「植物をとにかく良く観察すること」内科医が患者の顔を見れば症状が分かるように・・・ |
► 1「Simple is best」デザインを考える時、ものを入れすぎる傾向 |
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