有限会社 緑花技研 代表取締役・JGN創立メンバー 藤田 茂
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► 藤田 茂(ふじた しげる) (有)緑花技研代表、(公財)都市緑化機構・特殊緑化共同研究会運営委員長、NPO法人ガーデンを考える会理事・副会長、日本ヒートアイランド学会理事、屋内緑化推進協議会理事、NPO法人屋上開発研究会運営委員・技術部会長。 東京農業大学造園学科卒。香料会社にて天然香料の研究・生産に従事。その後建築物に緑と花を取り込むための技術についての研究・開発・実践を行なっている。国土交通省、コマツなどの屋上庭園に携わる。著書に『日本一くわしい屋上・壁面緑化』他多数。 |
都市に緑をもたらす有力な手法である屋上緑化。これまでさまざまな場所に屋上庭園がつくられ、話題になってきました。期待される効果や目的はどう変化してきているのでしょうか?屋上緑化の現状や、これからどのような方向に向かって行くのか理論と現場を知り尽くしている藤田茂さんに語っていただきました。皆さまに関心を深めていただければ幸いです。(事務局)
私が屋上緑化を初めて手がけたのは、昭和48年の大和証券ビルである。平成元年に屋上開発研究会発足、平成3年現都市緑化機構の中に特殊緑化共同研究会が発足し参画した。これ以前から屋上・壁面・屋内緑化が普及し始め、書籍で特集が組まれるようになったが、その内容は自社の緑化システムについての記述ばかりであり、緑化手法・資材を含めて総合的に解説された書籍は存在しなかった。そのような中で、『室内緑化デザイン』、『都市建築物の緑化手法』※注、の出版を手掛けたことでこの分野に特化するようになってきた。
※注 『室内緑化デザイン』共著(グリーン情報)1992年、『都市建築物の緑化手法』編集協力(新宿区彰国社)1994年
日本における近代建築物の屋上緑化は、大正4年に作られた下関市の旧秋田商会ビルが現存する最古のものといわれている。東京に現存する屋上緑化は、昭和10年に造られた朝倉彫塑館である。屋上緑化が本格的に行われ出したのは昭和30年代後半で、36年渋谷宮下公園、39年日本橋高島屋、43年八重洲大阪ビル等からである。
30年程前より屋上緑化用資材が開発、販売されるようになり、人工土壌を使用した軽量な工法が開発され屋上緑化が普及してきた。さらに、2000年に東京都が屋上緑化を義務付けたことにより、セダムによる薄層・軽量な緑化工法が開発され
1 一時は30社を超える企業が参入し爆発的に施工され始めた。しかし、その後セダム緑化では温熱環境改善効果が少ないとの報告がなされ、現在もセダム緑化に取り組んでいる企業は数社になってしまった。
![]() 1 セダム緑化11工法の展示 |
建築物緑化における緑化の効果を大きく分けて整理すると、緑化が存在するだけで機能する「都市の環境改善効果」と、人が利用することで機能する「経済効果(建築物・建築主に対する)」「利用効果(利用者に対する)」の3項目に分けられる。都市の環境改善効果の中で、特に注目されているヒートアイランド現象の緩和を以下に挙げる 2 。
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