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► 大場 秀章(おおば ひであき) 1943年東京生まれ。理学博士。東京大学名誉教授、東京大学総合研究博物館特招研究員。 中学時代に植物採集に親しんだことから、植物学に興味を抱くようになる。東北大学助手などを経て、東京大学教授に。専門は植物分類学および植物文化史。特に中国奥地やヒマラヤなどの高山植物を研究し、日本人として初めて中国崑崙山脈周辺での総合科学調査に参加。その後も積極的にフィールドワークに取り組む。高山植物の他、バラをはじめとする植物全般、ボタニカルアートにも造詣が深い。『ヒマラヤを越えた花々』など著書多数。 |
昨今、珍奇植物に注目が集まっていますが、人の手によって姿かたちの変わったものが選抜されてきた園芸品種ばかりではなく、地球上の様々な環境に適応して進化した結果、驚きの能力や形態を持った植物たちが数多く存在します。今回は、多種多様な植物を見てきた大場秀章代表理事に、今までに出会った中でも、特に印象深い植物を紹介してもらいます。植物学研究の一端を垣間見ることにより、植物を、そしてその不思議を解明しようとする研究者をより身近に感じていただければ幸いです。(事務局)
砂漠並の乾燥地から一年中雨や霧に見舞われる多湿の地。これらの多様な生育地が揃うところはいかにも大山脈、ヒマラヤである。私は1972年からおよそ20年、間隔を置いて夏の期間をヒマラヤの高山で過した。この話をすると、毎日、氷雪で被われた山々の雄姿が堪能できてよかったでしょう、と云われる。豈に図らんや、ほぼ毎日が霧や糠雨の連続で、滞在中、一日も山並みの雄姿を眺めることもなく終わった年もあった。
規模も大きく、熱帯にも近いヒマラヤでは高山帯が出現する標高は日本よりも高く、3,800m位からで、それから上方に5,500m位までを占める。途切れることなくヒマラヤの高山植物の新顔が園芸界に登場するが、植物学上の魅力も尽きない。高山植物といえば、いずれも小型のイメージがある。根雪が遅くまで残り、積雪の始まりも早く、生育期間は標高3,500m位では年間50日を切る。なるほどと思いたくなるのだが、ところがである。最初はなかなか信じられなかったが、富士山頂の標高で、高さが1mにもなる高山植物があるのだ。
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