

切っても切れない関係の盆栽と鋏。日本が世界に誇る、高い技術を持つ分野の第一線で活躍するお二人は、協同で新しい鋏の開発もおこなっています。道を深めながら、現状にとどまらず、技術を次世代に繋いでいくお二人に登場いただく、Commentの連載第10回です。
山口 安久
Yasuhisa Yamaguchi
盆栽作家

樹の個性を尊重し、針金を掛けない「鋏づくり」で自然な風格のある盆栽を育て上げる樹芸園主の山口安久さん。子供の頃は疎開先の長野県で自然に親しみ、珍しい植物を庭に植えていた。父親と同じ医師を目指したが、日本の伝統を受け継ぐ職人になりたいと思うようになり、盆栽園の親方の「好きなことをやろうと思い立ってこの道に入った」というエッセイに共感。大宮で実際に盆栽を見てその世界に衝撃を受け、23歳のときから盆栽園で修業、雑誌『自然と盆栽』に関わり「鋏づくり」に傾倒する。周囲に腕を認められるようになるが、型にはまりたくないと27歳の時に独立。39歳のときから、腕利きの職人のみが集まる宮内庁の盆栽手入れに参加し、そこで日本の頂点の盆栽に触れ、職人たちの技術を見て学んだ。樹形づくりは、植物の伸びたい方向を見極め、その手助けをするように鋏を入れる。自分の形を植物に押し付けないので、同じ樹種でも同じような樹形は見当たらない。「風を感じる」姿が一つの目標だ。植え込む器も重視し、その樹にふさわしい鉢を選び、組み合わせる。
現在、姫柿(ロウヤガキ)の里帰り事業を進めている。自生地である中国の浙江省に盆栽美術館をつくり、日中文化交流の懸け橋になることを目指す。日本の技術を正しく中国に伝え、両国で切磋琢磨できるよう、現地の若者の育成にも力を入れている。(JGN事務局)
►株式会社 樹芸 山口 安久氏の会員情報マイページはこちらから
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外山 秀久
Hidehisa Toyama
鋏職人

鋏製造の老舗、外山刃物の4代目として、江戸時代文久年間から受け継いできた確かな技と、新しい技術を融合させながら鋏をつくる外山秀久さん。子供のころからつくることが好きで、よく遊び道具を自作したり、家業を手伝ったりしていた。30代後半で家業を継ぐと、鋏製造に打ち込むだけではなく、弱かった職人の立場を強くするため、自社ブランドの確立にも心を砕いてきた。かつて、ホームセンターに出荷したこともあるが、安さばかりが求められ、嫌気がさした。自分の技術を必要とされる仕事がしたいという思いが強かったのだ。さまざまな人々に会い、その人たちのために良いものを提案・提供してきた。それは、価格が高いものではなく、用途にふさわしいもの。良い鋏をつくって喜んでもらえると自分も嬉しく、自分の生きざまが間違っていないと感じた。自分は鋏に育てられたと語る。自分の技術を生かせるのは楽しく、少しでも良いもの、他とは違うものを世の中に送り出すことをしたいと常に考えている。日本の鋏製造技術は高いレベルにあるが、さらに上を見据えて、レベルを上げ続ける。
これまでは、体を使って生産する時代だったが、次の世代は頭を使い、新たな道具や装置を取り入れることが必要だと考える。このたび経営の第一線からは身を引き、若い人を育てるとともに、自分の持てる技術を結集して鋏を極めることを目指している。(JGN事務局)
►株式会社 外山刃物 外山 秀久氏の会員情報マイページはこちらから
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山口 安久さんから3つのコメント
► 1「固定観念にとらわれない」
日本人は型にはまりすぎていて、自然の美しさを無視して盆栽を・・・ |
外山 秀久さんから3つのコメント
► 1「楽しく鋏を使って欲しい」
機能性はもちろん、フォルムにもこだわり、見るだけでも・・・ |
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JGN NEWS LETTER 2020年春号 Vol.13(その1)
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JGN創立メンバー 盆栽作家 山口 安久氏
JGN創立メンバー 鋏職人 外山 秀久氏
切っても切れない関係の盆栽と鋏。日本が世界に誇る、高い技術を持つ分野の第一線で活躍するお二人は、協同で新しい鋏の開発もおこなっています。道を深めながら、現状にとどまらず、技術を次世代に繋いでいくお二人に登場いただく、Commentの連載第10回です。
Yasuhisa Yamaguchi
盆栽作家
樹の個性を尊重し、針金を掛けない「鋏づくり」で自然な風格のある盆栽を育て上げる樹芸園主の山口安久さん。子供の頃は疎開先の長野県で自然に親しみ、珍しい植物を庭に植えていた。父親と同じ医師を目指したが、日本の伝統を受け継ぐ職人になりたいと思うようになり、盆栽園の親方の「好きなことをやろうと思い立ってこの道に入った」というエッセイに共感。大宮で実際に盆栽を見てその世界に衝撃を受け、23歳のときから盆栽園で修業、雑誌『自然と盆栽』に関わり「鋏づくり」に傾倒する。周囲に腕を認められるようになるが、型にはまりたくないと27歳の時に独立。39歳のときから、腕利きの職人のみが集まる宮内庁の盆栽手入れに参加し、そこで日本の頂点の盆栽に触れ、職人たちの技術を見て学んだ。樹形づくりは、植物の伸びたい方向を見極め、その手助けをするように鋏を入れる。自分の形を植物に押し付けないので、同じ樹種でも同じような樹形は見当たらない。「風を感じる」姿が一つの目標だ。植え込む器も重視し、その樹にふさわしい鉢を選び、組み合わせる。
現在、姫柿(ロウヤガキ)の里帰り事業を進めている。自生地である中国の浙江省に盆栽美術館をつくり、日中文化交流の懸け橋になることを目指す。日本の技術を正しく中国に伝え、両国で切磋琢磨できるよう、現地の若者の育成にも力を入れている。(JGN事務局)
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Hidehisa Toyama
鋏職人
鋏製造の老舗、外山刃物の4代目として、江戸時代文久年間から受け継いできた確かな技と、新しい技術を融合させながら鋏をつくる外山秀久さん。子供のころからつくることが好きで、よく遊び道具を自作したり、家業を手伝ったりしていた。30代後半で家業を継ぐと、鋏製造に打ち込むだけではなく、弱かった職人の立場を強くするため、自社ブランドの確立にも心を砕いてきた。かつて、ホームセンターに出荷したこともあるが、安さばかりが求められ、嫌気がさした。自分の技術を必要とされる仕事がしたいという思いが強かったのだ。さまざまな人々に会い、その人たちのために良いものを提案・提供してきた。それは、価格が高いものではなく、用途にふさわしいもの。良い鋏をつくって喜んでもらえると自分も嬉しく、自分の生きざまが間違っていないと感じた。自分は鋏に育てられたと語る。自分の技術を生かせるのは楽しく、少しでも良いもの、他とは違うものを世の中に送り出すことをしたいと常に考えている。日本の鋏製造技術は高いレベルにあるが、さらに上を見据えて、レベルを上げ続ける。
これまでは、体を使って生産する時代だったが、次の世代は頭を使い、新たな道具や装置を取り入れることが必要だと考える。このたび経営の第一線からは身を引き、若い人を育てるとともに、自分の持てる技術を結集して鋏を極めることを目指している。(JGN事務局)
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► 1「固定観念にとらわれない」
日本人は型にはまりすぎていて、自然の美しさを無視して盆栽を・・・
► 1「楽しく鋏を使って欲しい」
機能性はもちろん、フォルムにもこだわり、見るだけでも・・・
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JGN創立メンバー 盆栽作家 山口 安久氏
JGN創立メンバー 鋏職人 外山 秀久氏
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特集記事 庭のみどりからのサービス!
株式会社愛植物設計事務所会長・JGN創立メンバー 山本 紀久氏
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第4回 思い出のボタニカルアート
マリア・シビラ・メーリアン(1647-1717)手彩色銅版画「スリナム産昆虫の変態」より
JGN創立メンバー オランジェリー・コレクション 代表 大根 恒子氏
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