NURSERIES vol.8
確実園園芸場

NURSERIES vol.8確実園園芸場

NURSERIES vol.8確実園園芸場川原田 邦彦さん
川原田 邦彦さん
創業100年の老舗

 今年で創業100周年を迎えた確実園を訪れた。茨城県牛久市の国道沿いに木の温かみが感じられる風情ある店舗が見える。その奥には20,000㎡あるという、木々が自然な雰囲気で育っている圃場が続く。園主は、NHK趣味の園芸の講師としても知られる川原田邦彦さん。植物に関する広く深い知識の持ち主だ。

 確実園は、もともと写真屋だった川原田さんの曽祖父が大正6年に植木屋を始めたことにさかのぼる。「確実なもの、お客さんのところで枯れないものを販売する」というコンセプトのもと「確実園」という店名が決められ、その伝統を受け継ぐ。亡くなった父親が、「安行でできないものをやる」と、クルメツツジやヒゴツバキを周りに先駆けて導入。グラウンドカバープランツの筆頭に挙げられ、現在あらゆるところで見かけるジャノヒゲの‘玉竜’も、確実園が最初に見出したという。

多種類の植物を扱うプロフェッショナルへ

 小さい頃は、家にあった白花のタンポポが普通だと思っていたというエピソードからも伺えるが、子供の頃からいろいろな植物に囲まれて育った川原田さんは、自ずと山野草や宿根草が好きになった。特にスミレが好きで、たくさん育てていたそうだ。そして、自然な流れで家業を継いだという。父親は、手取り足取り教えてくれたわけではないが、仕事に関することを聞けば教えてくれたし、小石川植物園などに行くと、植物に関して快く教えてくれ、勉強になった。自信がついたのは、仕事を始めてから5年目に出展した銀座松屋の園芸展で、様々な人びとと接した中でのこと。日々植物と向き
合っているうちに、知識が身についていたことを自覚したのだ。確実園なら欲しいものがある、と言われるようにと、一番多い時には約1,800種、現在は約1,500種、4,500品種を揃えている。その中でも特に多いアジサイは600品種あるという。在庫が無いものでも、希望があれば確かなものを出来る限り取り寄せる。

フジのコレクション

 現在いちばん力を入れているのはフジで、約50品種を揃えている。その中でもオススメは、桃紅色の花を咲かせるヤマフジ‘昭和紅’ 1 と黄色い点が明るい空色の花弁に映えるノダフジ‘浅黄実生’ 2 。ベルギーには100品種以上を栽培するコレクターがいて、自身のところには無い78品種を導入すべく、やり取りをしていて、さらにフランスからも導入を予定しているのだそうだ。意外なことに、もともと日本ではフジの人工交配が行なわれていなかった。文献によると播種から開花まで十数年かかるとの記述もあり、とても手がかかるためだ。実際には5年ほどで開花するそうだが、つるが伸びるため管理が大変だ。現在、確実園には多くの品種が集まっているため交雑する可能性が高く、人工授粉などの手を加えずに自然に結実したものを播種、選抜して、良い品種ができないか試験中だ。今の風潮として、既存の品種と少し異なっただけで新品種として世に送り出されることが良くあるが、明確に異なるものが出ない限り、品種にはしないという。「フジなら確実園が日本一」にしたい、と語る。

NURSERIES vol.8確実園園芸場Wisteria brachybotrys‘昭和紅
1 Wisteria brachybotrys ‘昭和紅’
NURSERIES vol.8確実園園芸場Wisteria floribunda ‘浅黄実生’
2 Wisteria floribunda ‘浅黄実生’

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