NURSERIES vol.10
春光園

NURSERIES vol.10 春光園

NURSERIES vol.10 春光園 酒井宏幸さん(左)・光康さん(右)
酒井宏幸さん(左)・光康さん(右)
若き伝統園芸の担い手

 池袋で開催されたラン展で、出展していた春光園の酒井宏幸さんに出会った。22歳とは思えない、しっかりとした知識を身につけていて、圃場を訪れて話を聞いてみたくなった。茨城県潮来市にある春光園を目指すと、住宅街の中に32坪ほどの温室が建っていた。宏幸さんの案内で温室の中に入ると、約4,000鉢あるという様々なタイプのオモトが整然と並べられている。少し離れた場所にも温室があって、そちらにも4,000鉢ほどあるという。

 春光園は、京都三光園で修行した父親の光康さんが30年前に始めた。宏幸さんは、子供の頃からたまに父親の手伝いはしていたもののオモトに興味は無く、兄が継がないという理由で高校卒業後に父親の元で修行を始めたという。そして、1~2年携わるうちに面白みが分かってきて、3年目からいろいろなことを覚えてきた、と話す。多くの人びとに知ってもらうため、これまでのデパートでの販売に加え、イベント会場やホームページでの販売にも力を入れている。ホームページを充実させるため、スキルを身につけるべくパソコン教室に通った。一方、お客さんは年配の方が多いため、接し方をはじめ、覚えることが多いという。自身がオモトに携わってみて、父親は、よく一人で栽培管理から販売までやっていたな、と思ったそうだ。光康さんはオモトを車に積んで青森まで出張販売に出かけたりするのだ。     

バラエティ豊かなオモトたち

 春光園は、大葉系の図物に特に力を入れていて、羅紗系は特徴をしっかりと持った流行り廃りのない品種を中心に栽培しているという。大葉系等の図物では、同じ品種でも特に優秀な形質を持つ血統を「性(しょう)」といって、それを見出した人が自由に名前をつけ、「源平性」や「酒井口(ぐち)」などと称する。例えば‘龍巻都の図(たつまきみやこのず)’ 1 という品種では、図性が良い椎名口は珍重され、価格も高くなる。とはいえ、オモトの場合、展示会での評価は、芸が良く出ていることが重要で、希少品種が良いわけではないという。そのため、全国大会でも1万円から数万円で購入できる品種がよく入賞している。

NURSERIES vol.10 春光園 Rohdea japonica‘龍巻都の図’
1 Rohdea japonica ‘龍巻都の図’

 大葉系のように見るからに迫力があるものもあれば、羅紗系のように小さい葉の中に凝縮された大葉系に勝るとも劣らない迫力を持ったものもあり、オモトは実にバラエティに富んでいて、これからの伝統園芸の可能性を再認識させてくれる。宏幸さんの好きな品種を伺うと、‘鸞山(らんざん)’2、‘残雪(ざんせつ)’3、‘松籟(しょうらい)’4 が特に好みだと答えてくれた。

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